今回は話題沸騰のクリステンソンのミッドレングスNEWモデル、ウルトラトラッカーについて先代のフラットトラッカーとの比較をしながら紹介してみます。(試乗のインプレッションなどは以前のBlogでも紹介していますので、こちらもどうぞ)
2021年後半に登場したウルトラトラッカーはNEWモデルというよりもフラットトラッカーのNEWバージョンという位置づけのようで、先に言ってしまうとフラットトラッカーがマイナーチェンジしてウルトラトラッカーという名前になったというカタチになりました。
フラットトラッカーもマイナーチェンジが2回あり、最終モデルは3代目でした。初代→2代目→3代目とよりパフォーマンス性能を向上する方向で変化してきたので、初代のボリュームと比べると3代目のボリュームはだいぶ少なくなり、テイクオフの性能だけで言えば初代が最も速かったといえます。未だに初代の人気が高いのもそれがポイントだと思います。そこまであからさまなボリュームはないのに小波、パワーの無い波でも謎にテイクオフしてしまうのが衝撃的なミッドレングスでした。ただクリステンソン本人はテイクオフがはやいことよりも乗ってからのパフォーマンス性能の向上を常に求めてフラットトラッカーを進化させてきました。その3代目を更にパフォーマンス性能にこだわって進化させたのがウルトラトラッカーということです。ここでウルトラという名前にしたということはフラットトラッカーを超えたフラットトラッカーということなのでしょうか??
しばらくサーフボードの入荷が滞っていて紹介することもできなかったのですが、4月にまとまった納品があり、ちょうどUSEDで現行モデル(3代目)のフラットトラッカーを預かったので、同じサイズで比べてみます。
先ずはアウトライン。
左:ウルトラトラッカー7’2″ × 21 1/4 × 2 7/8、右:フラットトラッカー 7’2″ × 21 × 2 3/4
特に指定しないとバランスの良いサイズでシェイプしてくるのですが、どちらも7’2くらいだと幅21~21 1/4inch、厚さ2 3/4~2 7/8 inch でシェイプしていることが多いです。
ウルトラトラッカーの方がノーズ、テールがやや細めに絞られたアウトライン。数字的には左のウルトラトラッカーの方が大きいですが、右のフラットトラッカーの方がボリュームあるように見えます。実物は更にウルトラトラッカーが細薄に感じます。
テールは右:ラウンド→左:ダイアモンドテールっぽくなっています。テールのカタチというよりもテールに向かうアウトラインの絞り方に注目してください。
上:ウルトラトラッカー、下:フラットトラッカー
ロッカーはほぼ同じですが、ウルトラトラッカーの方がノーズ側1/3のシェイプが薄く(デッキ側からもスクープ状にシェイプされているのが分かると思います)、実際は少しロッカーが強くなったような印象です。
ちなみにフラットトラッカーという名前ですが、ロッカーがフラットという意味ではありませんw ボトム側にはしっかりロッカーがありますね。デッキ側にはロッカーをあまり見せずに必要なロッカーはボトムに付け機能性を追求しつつ造形としての美しさにもこだわるところがクリステンソンらしいです。
この角度から見ると、ウルトラトラッカーは真ん中付近はしっかりボリュームがあるけどノーズとテールのボリュームがかなり絞られているのが良く分かると思います。これがウルトラトラッカーの動きの良さに大きく影響するポイントです(もちろん全体的なバランスによるところが全てなので一部だけに注目しなくてよいのですが)。ミッドレングスながらダックダイブ(ドルフィンスルー)しやすいのもこのノーズのボリュームによるところだと思います。
上の写真2枚でみたら極僅かな違いに見えるのですが、乗り味はびっくりするほど変わった印象です。実は自分はクリステンソンのシングルフィンミッドレングス3モデル、フラットトラッカー、Cバケット、ハンツマンの中ではフラットトラッカーが一番好きではなかったのですが、ウルトラトラッカーをテストし始めてからは気に入りすぎてこればっかりに乗っています。
自分がフラットトラッカーを嫌いなところはサイズが上がってパワーがある波のバックサイド(苦手なので)でテールが上手く踏めないことから、ターンが横に伸びてしまいがちで狙ったラインに行けないところでした。ウルトラになるとテールのボリュームがかなり少なくなりきっちりテールが踏めるのでパワーのある波でのレールの入り方が格段に良くなったと感じ、たちまち大好きになってしまったというわけです。今まで友人、お客様との会話の中でも「どうもフラットトラッカーの乗り味が好きではない」という話を聞くこともあったので、そんな方にもウルトラトラッカーはぜひ試してもらいたいです。(フラットトラッカーはアメリカでも日本でも文字通りのベストセラーモデルなので多くの方から「最高のミッドレングス!」と高評価をもらっているので、嫌いな人はごく少数なのですが・・・)もちろんフラットトラッカーが好きな人はあれが更に動くようになったとお考えいただければわかりやすいです。
要はウルトラトラッカーが素晴らしいので、ミッドレングスを検討中の方はぜひ見に来て欲しいです。試乗の感想などは以前のBlogでも紹介しているので、そちらも参考にしてみてください↓↓↓
https://brine.jp/christenson-ultra-tracker/
3代目フラットトラッカーよりも更に細薄にしてパフォーマンス性能をアップということで、やはり安定感、テイクオフのはやさは少し落ちる印象です。テイクオフがやや遅くなると言ってもフラットトラッカーと比べてという意味で、同じような長さの並のミッドレングスと比べたら圧倒的にはやいです。そこがクリステンソンの真骨頂です!!小波でメインに使うのを想定している方、テイクオフを最重視でミッドレングスを選びたい方は想定している長さより2~3インチ長いサイズで選ぶのが良いと思います。操作性は格段に向上しているので2~3インチ長くなったところでターンは問題ないはずです。
今後の入荷は全てウルトラトラッカーで入荷する予定です。アメリカ人は振り返るのが好きではないらしいので、以前のバージョンはシェイプしないようです。フラットトラッカーを考えていた方はウルトラトラッカー少し長目で!間違いなく調子よい&かっこよいのでご安心ください。
CHRISTENSON SURFBOARDS ULTRA TRACKER 7’2″ × 21 1/4 × 2 7/8 216200 yen (237820 taxin)
2022.5.14現在の在庫は以下の通り。こんなに揃っているのはこの2年では考えられないです(涙)
(最新の在庫はお問い合わせください!)
7’0″ × 21 × 2 3/4 CLEAR
7’2″ × 21 1/4 × 2 7/8 CLEAR
7’2″ × 21 1/4 × 2 7/8 SALMON PINK TINT
7’6″ × 21 1/4 × 2 7/8 CLEAR
ちなみに比較したフラットトラッカーは中古で販売中です。薄っすらフットマークありますが、とてもきれいなコンディションです。こちらも店頭にてご確認ください。
CHRISTENSON SURFBOARDS FLAT TRACKER(USED) 7’2″ × 21 × 2 3/4 140000 yen (154000 taxin)
今はその他のミッドレングスの在庫も充実しているので、他のモデルと見比べながら選ぶことが可能です。ぜひ店頭にチェックに来て下さい。お待ちしています!
在庫はオンラインでご確認ください。
https://brine.official.ec/categories/4438041