前回のBlogでクリステンソンのニューモデル”マイコナート”を紹介しましたが、同じ日にもうひとつのニューモデル”ウルトラトラッカー”も試乗したので今回のBlogはそのレポートです。
最近皆さんからの問い合わせで一番多いのはダントツで”CHRISTENSONのミッドレングスについて”です。既にお伝えしているように既存のミッドレングスの入荷もままならない状況が続いていますが、そんな中で出来てきたNEW MODELがULTRA TRACKERです。
クリスの創作意欲は止まらないということなのだと思いますが、すごいのは新しいモデルはどれも今までのモデルとの違いが明確でそれぞれに存在価値のあるシェイプになっているところです。もちろん今回紹介するウルトラトラッカーも例外ではありません。
一番気になるのは既存のフラットトラッカーとの違いだと思いますので、フラットトラッカーとの違い、その他のミッドレングスのモデルとの違いに注目して説明したいと思います。
CHRISTENSON SURFBOARDS ULTRA TRACKER 7’0″ × 21 × 2 3/4
最大値の数字はその他のミッドレングスのモデルとほぼ同様ですが、シェイプはシュッとしていてかなりシャープな印象です。見た通りフラットトラッカーの細い版という感じです。フラットトラッカーを8フィート以上の長さでオーダーすると、全体的にシャープなバランスで上がってくるのですが、これは7フィートでもそんなバランスです。
肝心の乗り味ですが、ザクッというと見たまんま「フラットトラッカーの細い版」という感じの乗り味でしたw
それだと説明にならないので細かく感想を書いてみます。当日のコンディションは、前日までウネリ+オンショアの風でクローズアウト気味に荒れていたところから風が変わり徐々に落ち着き始めた頭前後の波、風はほぼ無風だったので、ウネリがまとまりきってはおらず流れもあり少しハード、といったところでした。朝一に同じくクリステンソンのニューモデル MYCONAUT5’3″ に乗って、ヘトヘトに疲れた状態でULTRA TRACKERにチェンジしました。アウトまでたどり着けるかな~と心配しつつパドルを開始したとたんに「あーやっぱり今日の波にはこれだった~」とにやけてしまうほどパドルが速い!そしてノーズエリアのボリュームがないのでこのボードサイズにしてはかなり潜りやすい!ということであっという間にアウトまで出られちゃいました。
ミッドレングスでアウトに出るのが難しいという声を聞くことも多いのですが、上手くカレントを使って少し遠回りしてでもなるべく被らない道を探すのが基本です。それでも自分の目の前で波が崩れてしまう状況はあります。その際はダックダイブ(ドルフィンスルー)が必要なので、胸でボードを水中に押し込んでから、手で更に押し込むとか、レールを斜めから入れてボードの上に水をのっけてから押し込むみたいなテクニックが有効です。真下に深く潜ろうとは思わずに(かなりのパワフルさんでないと出来ないので)浅く長く潜るイメージが良いかと。
どうしても潜らないといけないシチュエーションの時にウルトラトラッカーくらいだと助かるな~と何度も助けられました。そして海全体が動いているようなコンディションではボードの長さが安定に繋がり、パドルが圧倒的に楽です。そんなことでこの日はウルトラトラッカーのテストには絶好の日だったのかもしれません。
パドルが速いというか漕ぐとスムーズに加速する感じなので、テイクオフはもちろんはやい!ボリュームでテイクオフするというよりもスムーズに加速して、スッとボトムに向かって走り始める感じでウネリから波をキャッチしやすい!慣れて来てパドルでの加速のさせ方が分かって来たら更にはやくなる感じでした。
走り始めると細身でVEEボトム強めなのでふらつきやすい傾向はありますが、水の引っ掛かりが少ないのでスイスイとストレスなく前に前に走っていきます。真ん中(ストリンガー)をキュッと押さえてふらつかないようにすると、更に気持ち良く走ります!
この辺の乗り味はもちろんフラットトラッカーに似ていますが、フラットトラッカーよりも細身の分、更にスムーズに走るイメージでした。
そして、何よりはターンのスムーズさが格段に良いです!スルスルスルスル自由自在にターンできちゃいます。当日はブレイクが岸から遠くて動画の撮影は出来なかったのですが、自分的にはあのミスターミッドレングス ”デボン・ハワード” っぽい!と錯覚してしまうほどのターンが決まってニヤケてしまうというよりはびっくりしてしまいました。※実際どうだったかは不明ですが。。更にこんなこと考えてしまいました。。デボンみたいなサーフィンをしたいのなら、デボンと同じサーフボードに乗ったらデボンと同じスキルが求められる?!デボンのサーフボードよりもっと走って、もっとターンしやすいサーフボードに乗れば少しだけでも差が埋まるかも?!それにはこのサーフボード良いかも!・・・余談でした。
以前もBlogに書いたと思うのですが、クリステンソンのミッドレングスの中では最もオールラウンド的なのがフラットトラッカーですが、サイズのある波では少しテールが踏みにくく、狙ったターンがしにくいという印象を持っていましたが、このウルトラトラッカーはパワーのある波でもかなり思った通りにターンできる印象です。
同じようにクリステンソンのミッドレングスで軽いターンが特徴のハンツマンとの差はというと、
<ハンツマン>
少しボリュームのあるダウンレール → レールを入れた時に浮力が反発 → シャキシャキと小気味よいポップな動き。
<ウルトラトラッカー>
薄いレール、強めのVEEボトム → レールがスッと入り、スルッと切り替え → スルスルとスムーズなターン。
どちらも動きの良さを追求したモデルですが、乗り味の違いは明確です。擬音多めですみません。。
ボトムはフラットトラッカー同様の強めのVEEボトム+いろいろ細かいコンケーブ。幅が狭い分でそう見えるのかVEEが更に激しくなっているようなボトム。かといって乗りにくいかと言われれば、むしろフラットトラッカーよりも乗りやすい(素直に動く)という感じ。
ノーズロッカーがくいっと上がっている。これもフラットトラッカーと同じですが、全体のシェイプと合わさって少しロッカーが強くなっているような印象。
フィンは CAPTAIN FIN ALEX KNOST CLASSIC 8.5 を合わせて見ました。もちろん CAPTAIN FIN CC TRACKER 8.0 & 8.5 が基本になってくると思うのですが、 フラットトラッカーにアレックス8.5を合わせた乗り味が気に入っているので、初めからこちらで試してみたところ、予想通り相性バツグンでした!
ちなみにCC TRACKERを合わせる場合はテールのボリュームがフラットトラッカーよりもシャープなので、フィンを小さくするのもありです。
フラットトラッカー7’0″ → CC TARCKER8.5
ウルトラトラッカー7’0″ → CC TRACKER8.0
といった感じです。フィン大き目が好きな方は8.5をチェイスしたり、小波では小さ目をチョイスしたりその辺はお好みで。フィン選びと付ける位置などはご提案しますので、別途お問い合わせください。
別の日にそれほどパワーの無いコシハラくらいの波でもテストしてみました。
やはりサイズのある波でのテイクオフとの違いはありますが、走り始めが速いので問題なく波をキャッチできていました。小さいフェイスの波でもクルっと回るのでストレスなく乗れる感じです。
ただ小波でのテイクオフのはやさという点で比べるなら、既存のフラットトラッカーの方に軍配が上がると思います。通常ショートボードをメインで乗っていて、波が小さい時にだけミッドレングスに乗りたいという方には同じ長さで選ぶならフラットトラッカーの方が良いと思います。もしくはウルトラトラッカーを少し長目でチョイスするというのがおススメになるかと。とはいえショートボードに比べれば十分な浮力はあるので、動き重視ならウルトラトラッカーがおススメです。ちなみにミッドレングスが本当に楽しいのはフェイスの大きなサイズのある波です。小波だけとは言わずサイズのある波でも試してくださいね!
パドルに不安のある方、サーフィン練習中の方のチョイスとしては細身でパフォーマンス最優先のウルトラトラッカーよりもフラットトラッカーが良いと思います。
普段ロングボードに乗っていてサイズのある波をメインで乗りたいということであればウルトラトラッカーはおススメです!テイクオフに不安があれば長目、長目でチョイスしてみてください。長くても動きはかなり良いので問題ないかと。
自分はある程度波がある日しかミッドレングスに乗らないので、断然ウルトラトラッカー派です!実はクリスのミッドレングスのモデルの中でフラットトラッカーが一番苦手だったのですが、フラットトラッカーの乗り味の苦手な部分が解消したウルトラトラッカーはかなり気に入ってしまいました。早くまた乗りたい!
ということでもうしばらく色々なコンディションでテストしてみます。新しい発見があったら、ブログ、SNSなどでお知らせしますので、引き続きよろしくお願いします。
BRINE店頭には
7’0″ × 21 × 2 3/4
7’6″ × 21 1/4 × 2 7/8
の2本が在庫あります。オンラインにもアップしてあります。
https://brine.official.ec/categories/4438041