本日のブログはバンカー・スプレックルスの短くもゴージャスで波乱に満ちた生涯を追ったドキュメンタリー映画「BUNKER77」についてです。
先日、雑誌”popeye”主催のこの映画のスペシャル上映会に招待して頂きお客様と一緒に観に行ってきました。popeye8月号は「サーフボーイと夏休み」と銘打っての大サーフィン特集号でした。ポパイならではの切り口でサーフィンをテーマにしているので、サーフ雑誌にはない感じでとても面白かったです。かなりマニアな目線でも楽しめますので、細かいところまでチェックしてみてくださいね。読んでない方は急いでバックナンバー探してください。BRINEもちょろっと出てますので。
本題に入る前に脱線しました・・・。でバンカーです。自分は2年前に行われた試写会でも観ていてたのですが、また劇場で観られるチャンスだったので、茨城で台風スウェルを楽しんでからその足で会場に向かいました。へろへろに疲れてはいたのですが2回目でも眠気もぶっ飛ぶほど刺激的でした。やはり映画館で観るのが最高です！
バンカー・スプレックルスって？とピンと来ない方も多いかと思いますが、有名なART BREWERの写真集の表紙のこの人がバンカーです。（映画の中でこの写真がどのように撮影されたのかの話もあります。）
ハワイの砂糖王でサンディエゴ～ハワイの航路を開きサンディエゴ発展にも大きな影響を与えた祖父、「風と共に去りぬ」のクラーク・ゲーブルが継父というとてつもないお金持ち。60年代からサーフィンを始め、マリブのミッキー・ドラとも影響を与え合う。
「サーフィン界で最も退廃的なヤツ」と称され、お金、ドラッグ、パーティ、女の子、みたいなイメージが強いが、サーフィンは常に革新的でショートボードレボリューションがはじまった頃には既に写真のような身長より短い奇天烈なショートボードでパイプラインの波を切り刻んでいたので、「遺伝子レベルで宇宙的な子供」とまで言われた・・・そんなハチャメチャな人です。
この写真は20歳くらいで、その後21歳で莫大な遺産を相続し、生活もルックスも大きく変わり、27歳で死んでしまうという短い生涯を当時の関係者へのインタビュー、子供のころからの映像（超お金持ちで映画俳優の家だったので映像が残っているのです）などを繋ぎドキュメンタリーの映画としてとても時間をかけて（12年もかかったそう！）作られています。
ネタバレしないように書きすぎないようにしますｗ
上映前に監督の桝田琢治さんのトークショーもあったのですが、そこで言っていたのが「（西海岸の）サーファーとしてのアティチュードを感じて欲しい」ということです。（attitude ：人や物事に対する考え方・姿勢・態度という意味）
バンカーは極端だったが、みんなバンカーみたいなサーファーとしてのアティチュードを薄めて持っているはず（べき）だというようなことを話していました。サーファーがみんな牙を抜かれて面白くなくなっているのではないかと。
劇中でバンカーに大きな影響を与えたシェイパーの方の名言 “Surfing is not social sport” 「サーフィンは社会とはつるまない」と翻訳されていましたが、まさにその通りなんじゃないかと。オリンピック競技にもなり思いっきりsocial sport な側面が取り上げられる傾向の今だからこそ、この映画を観てサーフィンのそうじゃないところを再認識してみるのはどうでしょう。サーフィンのカッコよさって、自分はそっちだと思うので。そしてやっぱり、サーフカルチャーの中心は西海岸ですね！ミッキー・ドラ万歳！
とにかく映画が面白いので、サーファーでもサーファーじゃなくても観てみてください。60年代～70年代の激動の時代の常に最先端を走っていた人のドキュメンタリーなので、カルチャー好きな人にはたまらないと思います。
劇場で観られるチャンスは限られていますが、現在はamazon primeで配信中（無料！）なので、ぜひ観てみてください！！
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